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コラム

四神、四霊、五行

四神について

四神の成り立ちは、天文学がきっかけとされています。
自然界を象徴する「八卦(はっけ)」という図象から、「四象(ししょう)」と呼ばれる考え方があり、この四象を具体的にイメージしやすくしたもので、それが「四神」と言われています。

日本では、「続日本紀」に「朝賀の儀式に烏形の幢(どう)、左に日像(にっしょう)・青竜・朱雀の幡(ばん)、右に月像(げっしょう)・玄武・白虎の幡が立てられた」ということが記されています。

四神 青龍・朱雀・白虎・玄武

四神の成り立ちは、東「少陽(しょうよう)」、南「太陽(たいよう)」、西方を「少陰(しょういん)」、北方を「太陰(たいいん)」とする「四象」に「四神」を当てはめたと言われています。

東は青龍、南は朱雀、西は白虎、北は玄武という四神獣がそれぞれ天の四方の方角を守っているといわれ、四神獣を配した土地は風水では最良の地とされ、邪気を遮断し福禄・無病・長寿などの幸せを呼び込むと言われています。

1972年発見当時の高松塚古墳 東面壁画 青龍図
キトラ古墳 東面壁画 青龍
キトラ古墳 東面壁画 青龍図

大地の四方の方角を司る「四神」の存在に最もふさわしいと伝統的に信じられてきた地勢や地相を意味する言葉が「四神相応」です。

この様な場所はどこにあるかと言うと…
平城京の遷都にあってはこの考え方が取り入れられたとされています。
賀茂川(蒼龍)、巨掠池(朱雀)、山陽道(白虎)、舟岡山(玄武)に鎮護されています。

同様に、江戸の町の造成にも、風水四神獣の考え方に沿って、建都されたと言われています。

また、四神は方位のほか、四季では「春・夏・秋・冬」、一日では「朝・昼・暮・夜」、色としては「青・赤・白・黒」があてられています。

八卦とは
八卦とは

五行説、五行思想とは

中国古代の学説で「万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つ」とする考え方です。 5つの元素「木・火・土・金・水」は人間の生活に不可欠なもので、その元素は一定の法則で互いに影響を与えあいながら、変化し、また循環しているという思想です。

四神を束ねる存在

方角を守る四神ですが五行思想に当てはめると、一つ当てはまるものがなく、余ってしまいます。
五行思想においては四神の長ともいえる存在として『黄龍(こうりゅう)』と呼ばれる黄色(金色)の竜が存在しています。
古代中国では黄色は皇帝の色であり、高貴な色とされ、方角としては中心を司っています。
黄龍の他にも「麒麟(きりん)」を当てはめることもあります。
麒麟は良い政治をする王が生まれた時に現れると言われています。

日本神話における五行

日本では中世以来、記紀の伝える神話を五行説で解釈しようとする動きがあり、それら諸説の中でも比較的有名なのは『神皇正統記』の説で、自然現象の四季変化を観察し抽象化された、自然現象、政治体制、占い、医療など様々な分野の背景となる性質、周期、相互作用などを説明する5つの概念です。

四季の変化は五行の推移によって起こると考えられます。
方角・色など、あらゆる物に五行が配当されています。

そこから、四季に対応する五行の色と四季を合わせて、青春、朱夏、白秋、玄冬、といった言葉が生まれました。

 「冬」の象徴。泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表します。

 「夏」の象徴。光り煇く炎が元となっていて、火のような灼熱の性質を表します。

 「春」の象徴。木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元となっていて、樹木の成長・発育する様子を表します。

 「秋」の象徴。土中に光り輝く鉱物・金属が元となっていて、金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表します。

 季節の変わり目、「土用」の象徴。植物の芽が地中から発芽する様子が元となっていて、万物を育成・保護する性質を表します。 

方位を司る四神と吉兆を表す四霊との違い

四神  青龍・白虎・朱雀・玄武
四霊  麒麟、鳳凰、霊亀 、応竜
五龍  青龍、赤龍(朱雀)、黄龍(麒麟)、白龍、黒龍(玄武)。

四神は、青龍(せいりゅう)・朱雀(すざく)・白虎(びゃっこ)・玄武(げんぶ)から成り、これは周天を4分割した四象に由来するとされています。

四神と四霊の両者の間の具体的な性質の違いとしては、
四神の場合は、青竜・白虎・朱雀・玄武という四つの存在が、それぞれ東西南北という四方位へと対応する形で、それぞれの方角を司る守護神として位置づけられているのに対して、

四霊の場合には、そうした四神における方位との間の特別な関係性は存在せず、麟・鳳・亀・竜という四つの存在は、この世界に存在するあらゆる動物たちの長となる特別な力を持った神秘的な動物であり、吉兆を知らせる霊獣として位置づけられています。
四霊という言葉に含まれている「霊」とは、幽霊的な意味ではありません。様々な動物のなかでも、特に優れているとされる存在、すなわち、吉兆の徴(しるし)となるような特異的な特徴を持った優れた善い存在であるとされています。

朱雀 (Suzyaku)

朱雀とは、天の四方を司る神獣である四神の一つであり、南の方角を守護する赤い大きな翼を持つ鳥として描かれた想像上の生き物と伝えられます。
四神(四獣・四象)・五獣の一つで朱鳥(しゅちょう)とも呼ばれています。
朱雀と南方との結び付きは、五行説が中央に黄色、北方に黒、東方に青、西方に白、南方に赤と五色を割り当てたことに由来しており、四神の信仰は五行説の影響を受けながら中国の戦国時代(紀元前5世紀 – 紀元前221年)に成立したと考えられています。その後、四神の信仰は中国の中のみならず、古代の朝鮮や日本にも伝わりました。

日本では、奈良県の薬師寺金堂の本尊台座や、明日香村のキトラ古墳の石槨内壁の南側壁にも朱雀が描かれています。

日本古来の陰陽道にも四神獣は深いかかわりを持っていますが、陰陽五行の中では、青龍・朱雀・玄武・白虎に中央に麒麟(または黄龍)が加わります。五行説の五行と方位、色が結びつけられ、五神(五獣)になりました。

朱雀がつかさどるもの

朱雀は南を守護する神獣で、司る季節は夏(4月、5月、6月)。陰陽五行説では「火」を意味し、象徴する色は赤です。火を操る美しい鳥として知られ、その強靭な翼で悪霊を追い払い、逆境に打ち勝つ力と幸運を与えてくれると信じられています。
特に失った信頼や名誉を回復するなど、捲土重来を期すような時には大きなパワーをもたらしてくれます。社交運や人気運にも関係があります。

「朱雀」と「鳳凰」の違いとは

「四神」は東西南北、各方位を司る有名な神、神獣のことです。それぞれ、東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武を指します。
「四霊」は、麒麟(きりん)、霊亀(れいき)、応龍(おうりゅう)、鳳凰(ほうおう)で、吉兆を知らせる霊獣として位置づけられています。
つまり「四神」は東西南北という四方位へと対応する形で、それぞれの方角を司る守護神、「四霊」は方位に関わらず、何か善いことが起こる前兆、幸運をもたらす伝説上の動物たち のことを指します。「朱雀」は四神で南を守護する神獣、「鳳凰」は四霊であらゆる動物たちの頂点に君臨する吉兆を知らせる霊獣という意味になります。

白虎 (Byakko)

「白虎」は中国の神話にある四神獣が由来になっています。四神は古代中国で誕生し、日本へ伝えられたもので、東は青龍、南は朱雀、西は白虎、北は玄武という神獣がそれぞれ天の四方の方角を守っているといわれています。

四神を配した土地は風水では最良の地とされ、邪気を遮断し幸せを呼び込み、健康運もよいといわれます。また陰陽五行説を基に中央に「麒麟」や「黄龍」を取り入れることもあり、その場合は五神あるいは五獣と呼んでいます。

白虎は、その美しい見た目から縁起の良い生き物として親しまれています。インドではホワイトタイガーは神の使いとされており、「その姿を見た者に幸福をもたらす」と言い伝えられています。

日本では、奈良県の薬師寺金堂の本尊台座や、明日香村のキトラ古墳の石槨内壁の西側壁にも白虎が描かれています

「四神相応の地」とは、四方の方角を司る四神が東西南北を守護している土地のことで、良い氣が集まり留まる「最良の土地」を意味します。東に清き流れがある(蒼龍)、南が広く開けた湿地帯(朱雀)、西に大きな道が続く(白虎)、北に高くそびえる山がある(玄武)といわれています。

平安京では「蒼龍」が賀茂川、「朱雀」巨掠池(おぐらいけ)、「白虎」が山陰道(または山陽)、「玄武」は舟岡山とされています。
こうして四神相応の考えに基づいて作られたのが平安京です。四神を守護するために東に八坂神社、南には城南宮、西に松尾大社、北に上賀茂神社が造られ、その四神の中心を司るのが平安神宮です。

玄武 (Genbu)

青龍、朱雀、白虎、玄武を四神といい、東を青龍、南を朱雀、西を白虎、北を玄武が、それぞれが各一方を分担して守護するものされます。玄武と北方との結び付きは、五行説が中央に黄色、北方に黒、東方に青、西方に白、南方に赤と五色を割り当てたことに由来しており、四神の信仰は五行説の影響を受けながら、中国の戦国時代(紀元前5世紀 – 紀元前221年)に成立したと考えられています。その後、四神の信仰は中国の中のみならず、古代の朝鮮や日本にも伝わりました
亀蛇合体像の形態をしています。
亀は「長寿と不死」の象徴、蛇は「生殖と繁殖」の象徴で、玄武の亀と蛇の合わさった姿を、「玄武は亀蛇、共に寄り添い、もって牡牝となし、後につがいとなる」と、陰陽が合わさる様子に例えています。

日本では他の四神に比べて馴染みが薄く、昨今のカルチャーにおいては「強さ」のイメージこそ上位の印象はないのですが、実際は玄武こそが四神における最強・最古であり、最上位として信仰されました。

「北」は風水上でも極めて重要な方角とされ、たとえば平安京や日光東照宮などの建立時においても、北極星だけでなく龍脈などにも直結する最も重要な方角と位置付けられており、当然ながら玄武信仰が強く影響したとされます。

玄武は、(北にある)冥界と現世を往来して、冥界にて(亀卜=亀甲占いの)神託を受け、現世にその答えを持ち帰ることが出来ると信じられています。玄武は、暗闇を司っており、こっそり、盗難、多淫などをあらわします。

日本では、奈良県の薬師寺金堂の本尊台座や、奈良県明日香村のキトラ古墳及び高松塚古墳において石室内四壁の中央に四神の青龍、白虎、朱雀、と共に石槨内壁の北側壁にも玄武が描かれています。

風水においては山岳に棲むとされ、相対する方角には朱雀がおり、一説ではこれが鶴亀の由来であるといいます。

鳳凰 (Houou)

中国神話の想像上の鳥である鳳凰は古墳時代に日本に伝来したとされ、法隆寺などの様々な彫刻や絵に描かれています。平安時代中期に藤原頼通によって建てられ、1994年に世界遺産に登録された平等院の阿弥陀如来坐像(ざぞう)を本尊とする鳳凰堂の屋根には、金色に輝く鳳凰像があります。2004年発行の一万円札の裏側には、この鳳凰像が描かれています。

鳳凰は、四霊獣の龍、鳳凰、麒麟、霊亀の4つの霊獣のひとつです。
四霊獣は、この世の動物たちの長とされています。

鳳凰は中国の「四霊(古代中国の『礼記』に記される霊妙な四種の瑞獣のことで、応龍、麒麟、鳳凰、霊亀のこと)」のひとつで、「平安」を表し、360種の鳥類の長とされる存在です。その姿は五色絢爛に輝き、飛べば郡鳥がそれに従うため、鳥王と呼ばれました。鳳は雄を、凰は雌を表し、一緒になって愛の象徴になる、とのことです。
また、鳳凰は、死者の魂を迎え、天上へと運ぶ役目を担っているとされています。

鳳凰は、復興、二度目のチャンスを象徴します。 地球の裏側の東洋では、竹林や梧桐の樹木が生い茂り、不死鳥とは異なる鳳凰が空を飛び交います。 民話伝説で伝えられてきた鳳凰は、人の性格を見定め、栄誉ある人々や親切な人々を祝福します。 鳳凰が降り立つ地には大切なものがあるという伝説や、天女に変身する力があるとする伝説もあります。

鳳凰の出現は幸せの前触れで、鳳凰は「聖天子が現れる時に姿を見せる瑞鳥」とされてきました。 「聖天子」とは平安をもたらす統治者、すなわち優すぐれた皇帝などを意味します。

鳳凰と朱雀の違い 四霊、四神との違い

鳳凰は四霊のひとつです。朱雀は四神のひとつです。
朱雀は、「四神(玄武、青龍、白虎、朱雀のこと)」のひとつで、南方を司る聖なる鳥です。

鳳凰と不死鳥の違い

不死鳥はエジプトの伝説の霊鳥です。欧米ではフェニックスと呼ばれています。
不死鳥はアラビアの砂漠に棲み、500年生きると、その巣に火をつけて焼き、自身の命を絶ったのち、また蘇るという永遠の生の象徴です。
不死鳥は「雄」しかいません。
不死鳥の容姿は、鷲に似ていて、大きさも同じくらいです。

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